航空整備士のあるあると本音 空港勤務のシフト制・休日事情もチェック
飛行機の安全を支える縁の下の力持ちともいえる航空整備士。
「裏方」である彼らの世界はなかなか外からわかりませんよね。
しかし、これから航空整備士になりたいと思っている方は気になるところではないでしょうか。
現役の整備士の方もきっと「あるある」と思ってくれるはずです...
整備士の勤務についても併せて解説しています。
この仕事のイメージを掴む参考になれば嬉しいです。
それでは順番に説明していきますね。
航空整備士の「あるある」
外から聞いてと笑ってしまうようなことですし、本人たちも後からネタにしていますが、その場では真っ青になっている出来事です。
それでは、彼らの渾身の自虐ネタから、なかなか表に出てこない航空整備士の世界を覗いてみましょう。
現役で航空整備士として働いていらっしゃる方は、同じ経験をされているかも...
@うっかり編
- 左エンジンの部品を交換した後、作業指示書をあらためて読み返すと、まさかの右エンジン。作業やり直し。
- 1号機のタイヤ交換をするつもりが、11号機のタイヤを交換して帰ってきた。こっちもすり減ってたし、まあいいか...
- 夜勤の終盤、初便出発前の整備を終わらせてパイロットを待っている間、疲労がピークに達してコクピットで居眠り。そしてパイロットに起こされる。
A愛のムチ編
- 先輩の前でミスをすると、口より先に拳が飛んでくる。
- 先輩から離れたところにいても工具が飛んでくる。
- 整備士がヘルメットを被っているのは、いつ工具で殴られても大丈夫なように。
B理不尽編
- 始業ミーティングで「安全作業を励行しましょう」と言っていた班長。作業が一緒になった時、高所作業の安全帯を手渡そうとすると「俺にはそんなもんいらねえ!」と激怒。
- チェックリストを確認しながら作業を進めていると、先輩から「それくらい覚えとけ!」と一喝される。何のためのチェックリストなのか...
- 休日に整備部長から電話がかかってきて、「寄港地で機材トラブルがあったから明日直してこい」と命じられる。しかも行先は海外、出発は早朝。出張準備で休日は潰れる。
C受験生はつらいよ編
- 資格試験の受験日程が一緒の同期が、休みの日まで「一緒に勉強しよう」と駆り出してくる。ほっといてくれ...
- 休日に口述試験の練習をしようと同期に声を掛けているが、ぜんぜん時間を作ろうとしない。あいつやる気あるのか...?
- 同僚と休日に出掛けた話をしていただけで、たまたま近くにいた先輩に「受験生が遊んでる場合か!」と怒鳴られる。息抜きすら許されない...
D生きる知恵編
- 担当作業の割り振り表を見て、恐い先輩と同じ作業に割り当てられていた時は、誰も見ていない隙にこっそり名前を書き換える。
- 書き換えられた作業割り振りを見た班長が、「あれ?なんか聞いてたのと違うなあ」とか言っている。自分がやったのがバレるのではないかとヒヤヒヤ。
- その班長もどこかニヤニヤしている。たぶんこの人も若い時は同じ事やってた。
- 書き換えたはずの作業割り振り表が、後で見たら元に戻っている。誰だ、同じことしたの...
航空整備士の本音
さて、あるあるネタを見てお気づきかと思いますが、航空整備士はけっこう大変な目に遭っていたりします。
そんな彼らの仕事に対する本音はどんなものでしょうか。
もちろん人それぞれ感じ方は違うので、いろんな意見があります。
整備士という仕事をポジティブに捉えている人、ネガティブに捉えている人、中立的な人、それぞれの本音を見てみましょう。
「整備士になって良かった」派の本音
- 「出発機に向かって手を振ってお見送りしていると、たまに手を振り返してくれる人がいる。この人たちの安全な空の旅を守るために、どんなにつらくても頑張るぞって思える」
- 「空港で飛行機が飛んでいくのを見ると、胸に熱いものが込み上げてくる。この仕事を選んで良かった」
- 「夜通し整備をしてクタクタになっても、飛行機を送り出す瞬間に疲れは全部吹き飛ぶ」
- 「とにかく飛行機が好きだった。好きなものを仕事にできるのは本当に幸せなこと」
- 「一等航空整備士の受験勉強中は地獄だったけど、その分合格したときの喜びも大きかったし、頑張って良かったと思えた」
もともと飛行機が好きだったという人は自分の仕事にやりがいを感じ、誇りを持っていることが多い印象です。
彼らもつらい経験はしているのですが、大変な仕事だからこそ、やり遂げた時の喜びも大きいようですね。
「整備士もうやめたい」派の本音
- 「資格を取るまでは休日なんて有って無いようなもの。資格を取ったら取ったで会社にコキ使われる。プライベートが欲しい」
- 「ミスが許されない仕事なのはわかるが、ちょっとした失敗で犯罪者のごとく吊るし上げられる。もう耐えられない」
- 「機械いじりが好きだったたけで、別に飛行機が好きなわけじゃない。こんな理不尽な職場にいるくらいだったら別の業界でもいいかも」
- 「理不尽な環境だから、理不尽な人間に育つ。自分もいつかこうなっちゃうのかな」
- 「新人は奴隷。若手はパシリ。人権が欲しい」
※こちらの記事もぜひチェックしてください。 →航空整備士の闇
飛行機そのものが好きというわけでないと、職場環境への不満が先行してしまうのかもしれません。
また、もともと飛行機が好きだったのに整備士として働くうちに飛行機が嫌いになってしまったという人も中にはいるのが悲しいところです。
彼らには、身体や心を壊す前に勇気を持って「逃げる」という選択肢も考えてみてほしいですね。
\航空整備士から未経験でもITエンジニアになれる/
中立派の本音
- 「仕事は嫌いだけど、飛行機は好き。好きなものに関われる分、他の仕事よりはいいかな」
- 「まあ仕事だし、良いことも悪いこともあるよね」
- 「給料もらえれば何でもいい」
こういった「仕事は仕事」と割り切っているドライなタイプの人もいますね。
筆者自身この業界に飛び込んで驚いたのですが、航空整備士はみんなが「飛行機大好き」というわけではないのです。
航空整備士の勤務と休日事情
あるあると本音の中で「休日返上」に関する不満の声を紹介しましたが、実際のところ航空整備士はどんな勤務をしているのでしょうか。
某航空会社のライン整備部門のシフトパターンの一例を挙げると、
- 早番 08:00〜19:00 (休憩1時間)
- 遅番 15:00〜24:00 (休憩1時間)
- 夜勤 19:30〜翌日09:00 (休憩1時間×2回)
- 休日 2日
という「4勤2休」のサイクルが基本パターンになっています。
(夜勤1回を2日分の勤務とカウントしています。)
会社や配属された部門によってもシフトのパターンは異なりますが、エアラインは大体どこも似たような勤務パターンだそうです。
基本的にはこのシフトで動いているので、時間内に完結しなかった仕事は次のシフトに引き継ぐことになります。
とはいえ、予定作業が多くて人員が必要であったり、作業の進捗が中途半端な時などは残業もあります。
また、4勤2休がベースなので祝日による連休の恩恵を受けることはまずありません。
お盆・ゴールデンウィーク・年末年始も飛行機は飛ぶので、これらの時期もシフト勤務を貫きます。
ただし、有給休暇であったり、会社によっては連休が取れる制度を用意しているところもあるので、これから整備士になろうと思っている方は各社の福利厚生を確認するとよいでしょう。
そして、ここまでこの記事を読んでくだっさった方は察しているかもしれませんが、「資格を取得するまでの間、休日は勉強に使うもの」になりがちです。
資格を取っても急な勤務変更に遭うこともあるので、結局あまり気が休まらないんですけどね。
まとめ
この記事では、航空整備士のあるあるネタと彼らの仕事に対する本音に加えて、勤務形態を紹介しました。
最後に簡単におさらいしましょう。
航空整備士の仕事はつらく大変なことも多くありますが、苦労の分だけ飛行機を飛ばす喜びを大きく感じるという人は沢山います。
その一方で、あまりの辛さに辞めたいと感じる人が一定数いるのも事実です。
また、これも辛いと感じるかどうかは個人差がありますが、多くのエアラインで見られる整備士のシフト勤務の一例は、以下のような「4勤2休」パターンです。
- 早番 08:00〜19:00 (休憩1時間)
- 遅番 15:00〜24:00 (休憩1時間)
- 夜勤 19:30〜翌日09:00 (休憩1時間×2回)
- 休日 2日
ただし、休日に関しては、
- 若手のうちは資格を取るまで受験勉強に費やすことが多い>
- 連休が取れるかは会社の福利厚生制度次第
ということは知っておくとよいでしょう。
以上、航空整備士の世界のイメージが湧いたでしょうか。
こちらの記事にあるように闇の部分もある職業ですが、それでもやりがいを感じて楽しく仕事をしている人も沢山います。
これから航空整備士になりたいという方はマイナスの部分だけでなく自分の持っているプラスのイメージも大切にしてくださいね。
この職業の闇の部分に苦しんでいる現役の方は、壊れる前に逃げましょう。
このサイトが皆さんの今後を考える参考になればとても嬉しいです。